数年前のベストセラー本に似たようなタイトルがあったね。人間は第一印象で9割がた決まる、といった趣旨だった。じゃあ、エントリーシートはどうか。今まで軽く1万を超えるエントリーシートを見てきていると思うけど、残念ながらかなり当てはまるような気がする。残念ながら、というのは、私自身がかなりの悪筆だからだ。
でも、第一印象のよいエントリーシートとは「字」だけではない。紙に書く場合を念頭に置き、ざくっと'印象のよさ'の要素を考えてみよう。
・レイアウトのバランスのよさ(スペースの使い方)
・字の美しさ(形、大きさ、濃淡)
・その他(印影、写真、紙)
「レイアウト」では、最初から最後まで全く改行なしの「詰めすぎ」も、1行ごとに改行する「空けすぎ」もいけない。ひとまとまりの複数の文(=段落)ごとに改行していくのが理想だ。目安としては200字一段落とすればいいだろう。紙に書くときは段落の始めを一文字空けるのが原則。ちなみにWeb上やメールの場合は、この文章のように行頭から詰めて書く方がキレイにみえる。
「字」かーうーん、人のこと言えないからなぁ。そうやね、自信のない人は、少なくとも次の2つに気をつけよう(お互いに)。まず、ていねいに書くこと。これは、文字の後始末を折り目正しくつけていくということだ。その字の最後は止めるのか、払う、ハネるのか。急いでいても注意力をとぎらせないことが大切だ。
おつぎは、字の濃さ。特に年配の面接官にとって一番迷惑なのは、薄い字だ。見づらいのだ。また、意志が弱い、あげくの果てには熱意が乏しいという妙なレッテルを貼る人もいる。鉛筆で書く場合は、軟らかめの芯を使うか、OKならば消せるボールペンを使うとよい。
なお、文字量は多くても少なくてもいけない。余白を残すと印象度が間違いなくダウンする。10割ピッタリをめざすこと。オーバーすると「常識がない」とされてしまうので要注意。
「その他」。実は私が一番注目する点である。
写真がはがれそうな書類を、毎年かなり見かける。しっかりのり付けするのは無論のこと、念のため写真の裏に名前を書いておこう。そして「印影」、これがゆがんでいると印象が悪い。字を書く前に印鑑を押しておく方がいいかもしれない。ほか、紙がヨレヨレ、黒ずんでいるものは案外多い。金融関係は、これで一発で落とされるといっても過言ではない。
最近、Web上からそのままエントリーシートを提出させるパターンが減ってきた。文面がその人の性格をかなり反映するという考え方が復活してきたらしい。面接の時の身だしなみや表情と同じ、というわけだ。伝える中身も大切だが、他の部分で変な先入観を持たれないよう、しっかりと注意したい。