「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」-管理職研修の感想文やら昇格論文なんかを見ていると、毎回どこかで誰かが引用している山本五十六の名言である。言葉自体は悪くないが、言ったのが山本五十六、というのがひっかかる。
この人はご存知、太平洋戦争時の連合艦隊司令長官。要は戦争という大バクチでの「超・負け組」である。その語録を引き合いに出すということは、交流戦最下位、DeNAナカハタ監督の2013年スローガン『勝(かつ!)』を、自論に引用するようなものだ(あれだけ負けていたら、『喝(カツ!)』にしか聞こえない)。軍人と政治家とスポーツは結果を出してナンボなのに。
そんな文句を披露して悦(えつ)に入るより、実のある名言は身近で見つかるはずだ。例えば、2014年W杯への出場を決めた直後の日本代表本田選手のセリフ。「チームワークは備わった力なので、今後はどうやって自立して個を高められるか、というところで世界と勝負する」なんてカッコよかったなぁ。みなさんの属する組織にも当てはまるのではないか。
また、ベルリン・フィルの指揮者でもある佐渡裕の口ぐせは「これやれ、あれやれ、指示だけしてたらダメ。こうやったらこんな風ににメロディが変わるよ、ということを言ったあとすぐ音にしてもらって、いちいち楽団に納得してもらいながらやっていかんと」。五十六のセリフよりよほど実感がこもっている。
組織マネジメントの名言はどこにでも転がっている。それに気づくか気づかないかはみなさんの意識の問題だと思う。手垢のついた名言に満足せず、普段から自分で目を配り、気の利いた言葉を収集するのはどうか?文章に説得力が出るよ。
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Stephine Golub (水曜日, 01 2月 2017 23:06)
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