お役所コトバ

本日、区役所窓口でのひとコマ。

 

私 :「住民票で、自分ともうひとりだけ記載した写しをもらう、というのはできるんですか?」

窓口:「ええ、もちろんできますよ。どの方ですか?」

私 :「この人です」

窓口:「ああ、ご主人ですか」

 

私 :「・・・ここの役所では、まだ『主人』という名称を使っているんですか」

窓口:「(ムッとした様子で)ほかにどう言えって言うんです?」

私 :「さあ~、こっちが聞きたいですよ。お役所に書類を出すときには『親』を『保護者』に直せだの、『子供』だと付属物を意味するから『子ども』と書けだの、むっちゃうるさいんですが」

 

窓口:「窓口だとお年寄りの方なんか多いから、『主人』ていうようなわかりやすい言葉でしゃべるようにしてるんですけど」

私 :「(私、お年寄りに見えるか?)な~るほどねぇ~。でも『主人』の対義語は『しもべ』『奴隷』。ということは・・・」

窓口:「(『私は奴隷なのか?』と言いかけたのを完全にシカト)続柄は記載しますね?では626番の札をお持ちください」

 

うーむ。以前私が講演で「鬼っ子」と一言口にした際には、とある自治体から「人権的見地からすると差別語であろう!」と糾弾されたこともある。それほど、行政での言葉の検閲は厳しい。(でもこの語に差別的な意味はないぞよ)。

 

ちなみにカウンセリングでは、絶対に「主人」「旦那」は使用しない。「配偶者」「お連れ合い」などである。DVの被害者だっているのだから。

 

私が「業者」でお付き合いするときは、言葉狩りの憂き目に合いっぱなしなのに、住民の立場だとスルーなのはなぜだろう。いろんな考え方や立場の住民がいるからこそ、誰からも受け入れられやすい言葉を使え、というのが「検閲」の本来の主旨だと思うんだが。何か対応が逆だぞ。