マトリックス(表)の巻
スタップ細胞の信用性
一徹:「おまえは前回『正当性がないと判断された以上、スタップ細胞の存在の可能性が否定された』といったな」
アッコ:「はい」
一徹:「マトリックスの文言をよく見るがよい。論点は『スタップ細胞の信用性』、つまり、「存在するかしないか」ではなく「存在を『確信できるかできないか』が問題になっておる。否定とは「存在しないことが確信できる」という状態よ。見てみい、マトリックスの右上部分に当たる。すなわち、ないことが証明できない限り、存在の可能性は否定できないのじゃ」
アッコ:「よくわかったわ、お父さん。スタップ細胞に関して言えば、『ある』『ない』、どちらかを証明しないかぎり一歩も先には進めないのね」
一徹:「その通り。テレビの前でガタガタいうとるだけ、時間の無駄よ」
アッコ:「もうひとつ、『論文の正当性』についてはどうかしら」
一徹:「考え方としては2つあろう。1つはウソをいっとる、つまり学会が断定したような捏造じゃな。もうひとつは本当のことをいっとるが、論文の手順に誤りがあるために認められん内容ということじゃ」
アッコ:「それにしても、本当のことを言ってるとすれば、どうしてこんなに再現性が乏しい、つまり小保方博士しかスタップ細胞の作成ができないのかしら」
一徹:「これはわしの憶測じゃが、この人にしかできん固有の技があるのかもしれん。実験は、ほんのちょっとしたコツや手順が成功・不成功を分けるからの。いわば、職人技じゃ」
アッコ:「お父さんたちの『消える魔球』と同じね…」
おわり