いつまで続くぬかるみぞ。でも、福島という現場に足を運んだことがなく、遠くから見守るだけの私自身はこれに関して発言する立場にない。だから一番無責任でタチが悪い「評論家」のスタンスで書かざるを得ない。
前の事務所のすぐそばのコミュニティースペースでは(垂水区:神戸市西部)、例年春に東北地方から避難してきた家族とテーブルを囲んでのの交流会が催されていた(子どもたちと遊ぶのが趣旨)。地元企業?の私もささやかなスポンサーとして参加していた。
そこで聞いた話では、転居のきっかけは、ほぼ「子どもを外で遊ばせることが怖くて」。また、出席したお母さんがた全員が「今のところ、関東以北の食べ物を子どもには食べさせる気にはならない」とも言っていた。この2点、強く印象に残っている。
専門家からみると、子どもを外で遊ばせることも、地元の食べ物を口にすることも放射線量的には全然平気、お母さんたち非科学的だよそれ、なのかもしれない。ただ、そこにいた全員が「不安な中で暮らす」という押しつぶされるような毎日に耐えかね、ここ神戸に引っ越してきたのだと理解した。「引っ越ししたこっちも大変だけど、地元に残るしかなかった人が大半ですけどね」という言葉が胸に刺さった。
最後に、美味しんぼ最終回に掲載された「批判と意見」をPDFであげたい。いろんな見解があろう。ただ一つだけ言えるのは、「大丈夫です」という言葉も数字も、一度心に染みついた不安をぬぐい落すのには、全く役立たないということだ。