新・論理力養成ギプス講座 3-1

逆と対偶

アッコ:「まあ、驚いたわ…」
一徹:「どうしたんじゃ」
アッコ:「今、スティーブ・ジョブズさんの記事を読んでいたんだけれど、ジョブズさんは片付けるのがとても苦手だったんですって。見て、フェイスブックのザッカバーグさんよ。仕事机の写真が載っているけど、たくさんの資料が積まれているわ。今にも崩れそう」
一徹:「ほう、これはこれは。机の底が見えん」
 
アッコ:「記事を書いた人がこんなことを言ってるわ。ふふっ『こんなふうに天才は片付けるのが苦手なのである。だから筆者も天才かもしれない』ですって」
一徹:「ふん、論理を知らぬ奴は哀れむべきじゃのう。逆は必ずしも真ならずじゃ」
アッコ:「聞いたことがある言い回しね…。それはことわざかしら、お父さん」
一徹:「ことわざでもあり、論理学の基本でもある」
アッコ:「知らなかったわ…もともとはどういう意味なの?」
一徹:「命題『AならばB(A→B)』のAとBを位置を入れ替えたもの、これを逆(B→A)という。この場合、命題が正しい、すなわち真であっても、その逆が真であるとは限らないという意味が逆は必ずしも真ならずということよ」