新・論理力養成ギプス講座 3-2

逆と対偶 其の弐

一徹:「このコラムニストは命題「天才(ジョブズ、ザッカーバーグ)であるなら、片づけができない」を正しいこと、すなわちととして述べとるな。それはまあよかろう。しかしこれを根拠として、の命題である「片づけができない(自分)ならば、天才である」を真として結論づけるのはどうかな。明らかに命題=真=逆(命題)という誤った論理展開じゃからな」

アッコ:「命題=真=逆が必ず成り立つという考え方は間違っているの?」

一徹:「うむ。単純化するために命題を記号化してみよう。命題は、肯定とその否定の形から考えあわせていくものじゃ。ちなみに¬A,¬Bの¬は否定を表す記号である

 

命題A→B:「AならばB」 

    A:天才である

   ¬A:天才でない

    B:片づけができない

   ¬B:片づけができる

 

一徹:¬Bはちょっと分かりにくいかの。これはB「片づけができない」の否定よ。元のBが否定形なのでは¬Bは二重否定の「片づけができる」、すなわち肯定の形となっとる。

そして1つの命題には逆、裏、対偶、つまり以下の通り全部で4パターンが展開できる」

 

 A→B 天才であるなら、片づけができない

 

 逆: B→A 片づけができないなら、天才である

 裏:¬A→¬B 天才でないなら、片づけができる

 対偶:¬B→¬A 片づけができると、天才ではない

 

アッコ:「そうねえ…でもこれを見てもやっぱり逆も正しい、つまり真であるような気がするんだけど。違うの?お父さん」

一徹:「わが娘でも、女とは話せんわのう。では、わかりやすく野球ネタにしてみるかの」 

 

つづく