逆と対偶 其の参
一徹:「天才であるなら、片づけができない」という命題が真、すなわち正しかったとしても、「片づけができないなら、天才である」という逆は正しいとは限らないという話じゃったな」
アッコ:「ええ、ごめんなさい。私、よく分からなくて…」
一徹:「よかろう。ではこの例ではどうじゃ。『一徹ならば阪神ファンではない』という命題ならばわかりやすかろう」
A→B :一徹ならば阪神ファンではない
逆: B→A 阪神ファンでなければ、一徹である
裏:¬A→¬B 一徹でなければ、阪神ファンである
対偶:¬B→¬A阪神ファンであれば、一徹ではない
アッコ:「そうね。逆は『阪神ファン以外のすべての人間は一徹である』という意味になってしまって明らかに変ね。裏もおかしいわ。お父さん以外の人間がすべて阪神ファンなんて。あら?対偶は正しいんじゃないかしら」
一徹:「その通り。命題が正しければ、対偶は必ず正しいという法則は常に成り立つ。この一徹、たとえお前がクワガタ君と結婚しようとも、決して阪神ファンになることはないわい!」
アッコ:「当然よ、それは。だってお父さんは、中日のコーチなんですもの」
おわり