君の名は

参院選が近づいてきた。さて、どこに投票すべきか。公約をよみくらべる。どれどれ。

 

子育てを支援し、学びを促進し、高齢者を大切にするための社会保障を充実させる。経済活性化のために、労働人口をふやし、最低賃金を上げ、企業の成長戦略を後押しする。持続可能社会をめざし、環境負荷を減らす。LGBTQや障がいなど、さまざまな多様性を前提に、社会における心と体とのバリアフリーをめざす…。

 

などなど国防以外、内政について各党の最大公約数をとれば、こんな感じだ。どこがちがうねん、7つのまちがいさがしクイズか~。とツッコミたくなる。

 

そのなかで、ビミョーな差異に注目してみた。テーマは「婚姻」、同性婚と、いわゆる夫婦別姓(選択制)である。

 

まず、最大与党の自民党。「性的マイノリティの理解促進」という、たいへん、ひかえめな表現が顔を出すにとどまる。別姓については、言及がない。第二与党の公明党は、同性婚と別姓を容認している。

 

一方で、野党は、同性婚と夫婦別姓を、積極的に推進しているところが大半だ。

 

ただ、維新の会だけは、おもしろい。「同性婚をみとめ」とあるものの、別姓については、「社会経済活動での旧姓使用の仕組みを考える」とある。つまり、同性カップルが役所に届け出を出すとき、姓は二者一択しろということになる。

 

この場合の「姓」は、一代限りの飼育を認めるマンションのペット規約、あるいは旧南アの名誉白人の同じ扱いだ。つまり、よくもわるくも、権利の継承、という観点が抜け落ちている。

 

そう、名前とは、相続権を含む、財産権の象徴だった。

 

だから、大河ドラマの北条政子は源政子でないし、時代が下り、相続権をうしなった江戸時代の女性が、名前を通称とされたのもそのせいだ。

 

いまの私たちにとって、姓とは何の象徴なのか?

 

そんな哲学的な問いの前に、改姓の手続きのめんどうくささ。またその後も、仕事での俗名(通称)と、金融機関決済の戒名(戸籍上の名)とがズレるややこしさ。責任者出てこい、といいたくなることだけは、強調しておきたい。

 

…はなしがどんどん本筋からはなれたような気がする。とりあえず、選挙に行こう。